この記事では「保育士さんの適応障害との向き合い方」についてお話ししたいと思います。
保育士の適応障害と聞いても、ピンとくる人は少ないのではないでしょうか?
皇太子妃雅子様がこの適応障害であると一部報道された事で周知されるようになってきましたが、まだまだ詳しく知っている人は少ないと思います。
疲れやストレスが溜まりやすい保育士さんはかかりやすい病気なので要注意です。
・適応障害の特徴や治療方法
・病気と付き合い保育士を続けていくポイント
についてご紹介したいと思います。
目次
保育士の適応障害とは?症状例や原因について
適応障害とは、ストレスにより環境に適応できなくなり、心がパンクしてしまうことです。
・保育園での子供達や保護者との関係
・先輩や上司との関係などによるストレス
・持ち帰りや残業などの職場環境のストレス
などが原因となり、身体的、精神的に様々な不調が引き起こされてしまいます。
また、ストレスの原因がはっきりしている場合は、ストレスから離れることで症状が軽減される特徴があります。
<適応障害による主な症状>
- 頭痛、不眠、疲労感や腰痛など身体的な症状
- 不安、心配、イライラなどの気分を伴う症状
- 涙もろくなる、絶望感などの抗うつ気分になる
- 社会規範に反する行為や問題を起こす異常行動
- 不安や抗うつ症状が同時に出てしまう
- 社会的に引きこもってしまう症状
場合によっては、衝動的な自殺未遂や軽犯罪を起こしてしまうなど、普段では考えらない行動を起こしてしまう事もある怖ろしい病気なのです!
適応障害になりやすい保育士とは?ストレスを抱えやすい人は要注意!
保育士は人間関係がどうしても主に中心になってきてしまいます。
当然高いコミュニケーション能力も求められますし、臨機応変な対応も必要になってきます。
しかし、経験の少ない若手の保育士さんは、そこまで完璧にこなせるわけもなく大きなストレスとなってのし掛かってきます。
「…今のあなたは大丈夫ですか?」
- 仕事が好きで熱心な人
- 帰宅後や休日にも仕事の事を考えてしまう
- 生真面目・几帳面な性格
- 頼まれると断れず、1人で抱え込みやすい
- 頑固な性格
- 気が小さく、あまり自分の意見がいえない
- 人の目や意見が気になる
- 心配性な性格
- ミスに対して責任を感じたり引きずりやすい
- 我慢強い
- 気持ちの切り替えが苦手である
複数当てはまるような方は注意が必要です!
「生真面目で几帳面、仕事熱心で、一生懸命頑張っている人」ほどかかりやすいのです。
現場のベテラン保育士さんは場数も踏んでますし、経験の量が違います。
「積極的な性格で、自分に自信があって、常に堂々と仕事をしているのか」などでも変わってきます。
「強くならなきゃ!気にしないの!」
などと言われますが、人によってストレスへの感じ方は違うため、一概に言えるものではありません。
適応障害かもと思ったら、心療内科に相談を
毎晩涙が自然と溢れてきて、疲れているのに眠れない。
慢性疲労に食欲不信、突発難聴や、子ども達の前で声が出なくなったり、ピアノが弾けなくなり、自信をどんどん失っていきました…
毎日、朝が来るのが怖くて仕方がなかったです。
そのときは自分が適応障害だとは思いもしませんでしたが、
唯一相談していた高校時代の友人が異変に気付いて、私の母親に相談してくれたお陰で無事見つける事ができました。
なかなか自分では気付きにくいのも事実ですし、仕事ができないからただの甘えだと思ってしまう事で1人で苦しんでしまうのがほとんどだと思います。
まずは、誰か学生時代の友達でも、自分の親にでも誰でも良いので相談してみて下さいね。
「診療内科を受診するのはどうも…」
「身近な人にもあまり心配をかけたくない…」
と思っている人は、各自治体が行なっている無料の電話相談などを使ってみるのも良いかもしれません。
思い切って仕事を休んで自分だけの時間を作ったり、周りに助けを求めたりすることは「決して恥ずかしいことではないんだ」と覚えておいてください。
治療にあたって、保育園の休職や退職が必要なことも
私自身、適応障害からくる自律神経失調症と診断され、「とりあえず1カ月休職するように」と診断書を書いてもらいました。
1カ月休職している間は、適応障害の特徴通りストレスから離れているので、気分も安定して落ち着いて生活できましたが、
いざ1カ月が過ぎ、「では復帰を…」となった時に
職場での問題が何も解決していなかったため、同じことを繰り返すだけになってしまいました。
自分1人だけではとても対応できないので、家族の理解も必要ですし、助けも必要です。
仕事を休んだり、休職する事は診断書がでればできますが、
原因そのものである職場環境は自分の努力や助けがあっても、どうすることもできない場合もあります。
悲しいかもしれませんが、退職したり転職して環境を変える事や、一旦保育の仕事から離れてみるのも必要になってきます。
保育士として適応障害と上手に付き合っていくためには?
私が適応障害を発症したのが約10年程前で、その後勤めていた保育園を退職したり、結婚して子どもを産んで母親になったりと色々経験しました。
あんなに苦しくて、自分には無理だと思った保育の仕事に結局戻ってきてしまいました。
今は小規模な託児施設にいますが
「いずれ子どもが大きくなったら保育園の現場にも戻りたいな!」
とさえ最近思うようになってきました。
ストレスの多い職場から離れて余裕ができたからなのか、ただ年齢を重ねたからなのかはわかりませんが
と思っています。
適応障害になった事は決してマイナスだけでなく、
その時苦しかった事と感じたこと、辛いと思った事のがすべてのちに自分の経験として帰ってきます。
今の自分を受け入れて、誰かに相談してみたり少し休んでみることは、決して逃げではなく、客観的に自分の保育感や仕事について考えるためにも必要です!
どうしてもダメならそれでも良いし、戻ってみようと思うならそれも良いのです。
人生において、仕事はあくまでお金を稼ぐ手段です。
それがすべてではありませんし、ましてや苦しんで自分を追い詰めるものではありません。
いま現在苦しんでいる保育士さんは、辛い、悲しい、苦しい気持ちを自分で認めてあげて下さいね。
我慢することばかりが正しいわけではありません!
辛いときは無理をしないで、少し休んでみたり、周りの人に頼る勇気も必要です。
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