子どもと関わる仕事がしたいと期待を持って始めた保育士の仕事。
でも、職場でいじめや嫌がらせを受けて悩んでいる保育士たちがいるという実態があるのです。
子どものお手本になる存在であるにもかかわらず、保育の現場で職員同士のいじめが起きるなんて、悲しいことですよね。
いじめや嫌がらせを一人で抱え込んで悩み続けていると、心も身体もボロボロになってしまいます。
せっかく就いた仕事なのに、仕事とは関係のないいじめで悩まなければならないのはとてもツラいこと。
職場でいじめや嫌がらせを受けたらどのように対処すればいいか、考えてみましょう。
これっていじめ?保育の現場でよく見られるいじめや嫌がらせ
まずは、実際に保育の現場ではどのようないじめや嫌がらせが多いのか、見ていきましょう。
保育士のいじめ・嫌がらせ①:仕事の押し付け
まず多いのが、「仕事の押し付け」。
保育士の仕事には、子どもと遊んだりお世話をしたりするだけでなく、様々な雑務があります。
特に、先輩が後輩に対して自分がしなければならない仕事を押し付けたり、分担する際に不公平な量を負担させたりすることが多く見られます。
トイレ掃除や汚物の処理など、自分がやりたくない仕事を押し付けることも。
休憩時間に本来はやらなくていいはずの仕事をやらされたりする人もいます。
さらに、予定があるのを知っていてわざわざその日に残業させたりする陰湿な先輩もいるようなのです。
保育士のいじめ・嫌がらせ②:無視される
次に、「無視・連絡事項を伝えない」。
特に新人など経験の浅い保育士は、わからないことが多く、自分では判断できないような内容の仕事もたくさんあります。
そのため、先輩保育士に質問して教えてもらいながら仕事を覚えていく必要があるのです。
それなのに、質問しても無視されたり、必要な連絡事項を自分にだけ伝えてもらえなかったりしたという人がいます。
さらに悪質なのは、わからないことがあったら何でも聞いてと言いつつ、
「実際に聞くと教えない・わざとミスをするように間違った情報を伝える・それでミスをしてもフォローしない」
という場合もあるようです。
保育士のいじめ・嫌がらせ③:過度の叱責
上の二つは誰が見ても嫌がらせとわかりますが、中には指導との区別をつけるのが難しい内容もあります。
それが、「必要以上の叱責」。
保育現場だけでなく、様々な職場でよく見られる問題ですが、いわゆるパワハラの内容の最たるものですね。
仕事のミスや、自分が至らなかったことで叱責されるのは当然とも言えます。
ところが、教育や指導の範疇を明らかに超えている場合も多々見られるのです。
「長時間もネチネチと嫌味を言われ続ける・他の職員の前で吊るし上げのように延々説教される・人格を否定するような発言をされる・悪口を言われる等」、
もはや何を伝えたいのかわからないほど心を疲弊させられる場合は、指導とは言えませんね。
以上の三つは保育現場で実際に多く見られる例です。他にも物を隠す・壊す、給食をもらえないなど、子どもじみた悪質な嫌がらせを受けた人もいるようです。
保育士がいじめ・嫌がらせに遭ったときの3つの対処方法
では、実際にいじめや嫌がらせを受けたときには、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、3つの対処方法をご紹介します。
いじめ・嫌がらせの対処法①:まずは身近な人に相談
まずは、誰かに相談して話を聞いてもらうことです。
大切なのは、一人で悩まないことです。
ただでさえ、保育士はストレスを溜めやすい仕事ですから、その上にいじめや嫌がらせを受けて、心も身体もかなり疲弊してしまうはず。
誰にも言えずに一人で抱え込んでいると、やがて心も身体も自分ではコントロールできない状態になってしまいかねません。
一番いいのは、職場の信頼できる人に相談すること。
同期でも先輩でも、身近に話せそうな人がいたら、話を聞いてもらいましょう。
一緒に行動するなど力になってくれるかもしれません。
嫌がらせしてくる相手が先輩の場合は、さらにその上の上司、園長などに相談できるといいですね。
本気で職員のことを考えてくれる園長なら、配置換えなど何らかの対策をしてくれる場合もあります。
職場の中に味方がいてくれれば、状況を変えられる可能性は高いです。
もし、職場に話せる人がいないという場合でも、友人や家族などに相談しましょう。
絶対に一人で悩んではいけません。
話を聞いてもらうだけでも、心が少しラクになるはずです。
また、嫌がらせと感じた内容が厳しい叱責の場合、それが教育や指導の範疇を超えているのかどうか、客観的な意見をもらうことができます。
いじめ・嫌がらせの対処法②:公的機関への相談もOK
次に、園外の公的機関に相談することも考えましょう。
いじめや嫌がらせを受けたということを、職場では誰にも言えない人もいます。
それは、他の職員に言うことで、働きづらくなってしまうのではないかと考えるから。
でも、もう既に働きづらい状況に追い込まれているのではありませんか?
園内での解決が難しい場合は、厚生労働省や労働基準監督署など、園外の公的機関に相談することもできます。
残念なことに園長や副園長などの幹部がいじめをしているという園もあるのです。
そのような場合は、公的機関に通告することで、状況を変えられるかもしれません。
そこまでしないと、ターゲットを次々に替えていじめは続いてしまいます。
身近な人でも公的機関でも、誰かに相談する場合は記録があると伝わりやすいです。
記録を録ろうと決めると、少し冷静になることができるので、自分の心を守るためにも有効です。
嫌がらせを受けたことについて、日付や時刻・相手の名前・内容を文字で残しておきましょう。
また、日常的に言葉での嫌がらせを受けている人は、ポケットにICレコーダーを忍ばせておくといざという時役立ちます。
いじめ・嫌がらせの対処法③:相手と仲良くする
あえて相手を褒める・リスペクトするという方法もあります。
嫌がらせをする人は、その一方でお気に入りの職員がいることも多いです。
相手を変えることは難しいですが、自分がそのお気に入りの側に入り込むという作戦も考えられます。
相手のいいところを無理やりにでも探して、尊敬してみましょう。
大人にもなって、しかも保育士という仕事をしているのに、いじめなんて子どもじみた行為をしているなんてかわいそうな人です。
きっと、誰かに認めてもらいたい気持ちがあるはず。
かわいそうな人だから、あえていいところを探してあげるのです。
メンタルが強くないとできないことかもしれませんが、いじめを受けているという時点で、明らかに相手の方が弱い人間です。
まだその園で仕事を続けたいなら、相手との関係を変えるために、大人な対応をしてあげましょう。
いじめや嫌がらせの度が過ぎているときは退職・転園も視野に
理不尽な仕打ちで苦しめられたり、ツラい思いをさせられた相手に対して大人な対応をしたり…
そこまでしてその園で働き続けたいかどうか、一度考えてみましょう。
幸い、保育士という仕事は、今とても需要があります。
それに、資格があればいつでも始められる仕事です。環境を変えてしまうのも一つの方法です。
いじめをする保育士のいる職場で働くということ自体、嫌なことですからね。
ましてや、上の人間がそんなことをしている園なんて、ろくでもありません。
子どもたちを置いて逃げるような気がして踏み切れないという人もいるかもしれませんが、そのままいじめに耐え続けることは、誰にとってもいいわけがないのです。
もし、ここでご紹介したどの方法も無意味だった場合は、思い切って退職してもいいというくらいの気持ちでいましょう。
人間関係のいい、働きやすい場所は他にいくらでもありますよ。
まとめ
保育の現場で職員同士のいじめが起きているのをそのままにするのは、子どもたちの教育上もいいわけがありません。
もし一人で悩んでいる人がいたら、今すぐ何らかの行動をしましょう。
もし状況が変わらなければ、違う職場に行けばいいし、保育士としての仕事自体を休むことだってできるのです。
そのくらいの強い気持ちを持って、自分を守ってくださいね。
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