院内保育の仕事内容や給料とは?保育士の求人探しや転職活動のポイントについて

保育士が働く場所といえば「保育園」という認知が一般的でしょう。

保育園は「保育施設」の中の一部の施設であって、病院内で子どもを預かる「院内保育」も保育施設の一つで、働く保育士も多いです。

これから転職を考えている方へ、院内保育の仕事内容や待遇、求人探しのポイントについてご紹介します。

院内保育ってどんな仕事?主な仕事内容とは

「院内保育」とは簡単に説明するなら「病院内で働く看護師や医師の子どもを預かる施設」と言えます。

「医師や看護師の子どもも普通の保育園に預ければ良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、院内に保育施設を設置することには次のような目的があります。

通常の保育園は「7時~18時に開園し、それ以降は延長保育」というのが一般的ですよね。

しかし、看護師や医師という仕事は24時間人命の危機に備えているため、急な仕事なども出てきます。

そのような緊急の仕事や夜勤などに備え、院内に保育施設が設置されているのです。

院内保育の主な仕事内容①:子どもの保育

院内保育は病院内にある保育園ですので、一般的な保育園と保育内容はほとんど変わりません。

「受け入れ」、「活動」、「昼食」、「午睡」、「おやつ」、「お迎え」といった一般的な保育を行います。

しかし、院内にある保育施設のため、施設自体はあまり広くなかったり、園庭がないといった特徴があります。

そのため、活動内容は限られ、室内でゆったりと保育を行う時間が多くなります。

院内保育の主な仕事内容②:夜間の呼吸チェック

日中の保育は一般的な保育園とほとんど変わりませんが、院内保育は24時間体制で運営されています。

夜勤の看護師の子どもを預かる際は、夕方から翌朝まで保育を行います。

このような場合、活動時間よりも就寝時間の方が長いため、仕事は楽に見えますが乳幼児は睡眠時に原因不明な死亡事故が多いのです。

「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と呼ばれ、これを防止するために数分おきに一人ひとりの呼吸チェックを行う必要があります。

認可園であれば、「0歳児=5分おき、1歳児=10分おき、2歳児=15分おき」といった時間設定もあり、

万が一子どもが突然死した際に、呼吸チェックを怠っていた場合は重大な責任問題を負われることもあります。

子どもは寝ているだけだから「夜勤は楽」と考える方もいる一方、「夜勤は気を張る」と考えいる方もいるようです。

院内保育の主な仕事内容③:異年齢保育

一般的な保育園は0歳児クラスから5歳児クラスが年齢別に分かれて保育を行いますが、院内保育は少人数保育となるため、0歳児から5歳児まで合同で保育を行います。

少人数でも各年齢が合同で過ごすとなると、保育環境から保育内容の設定など、幅広い知識が必要となります。

院内保育で働くのであれば、各年齢ごとの発達の特徴を抑えておくことが大切です。

院内保育士の1日のスケジュール例

07:00~:登園
09:00~:朝の体操
09:15~:朝の挨拶
09:30~:おやつの時間
10:00~:朝の活動(屋内・屋外・製作)
11:30~:お昼ご飯
12:15~:お昼寝
15:00~:おやつの時間
16:00~:室内遊び・順次降園
18:00~:必要に応じて延長・夜勤勤務など

 

院内保育の給料や待遇はどのくらい?実際の求人例も紹介!

院内保育の給料は一般的な保育園と比べて高い水準に設定されているのが特徴です。

特に、大型な医療法人が運営している病院であれば、給料が高いだけでなく福利厚生も充実している求人も多くなってきます。

院内保育の給料や賞与について

平均年収 326万円
平均月収 22.3万円
平均賞与 50万円

厚労省:賃金構造基本統計調査

院内保育は雇用形態によって年収に大きな違いが見られます。

パートや派遣であれば賞与がなかったり、夜勤があれば「夜勤手当」が支給されるため収入にも差が出てきます。

院内保育の求人例

求人例その①
勤務地 東京都文京区
勤務時間 日勤:7:00〜20:00(8〜10h程度でシフト制)
夜勤:16:00〜翌8:00(月1回程度、休憩1h・仮眠2h程度あり)
月給 22万円~
賞与 年2回
手当 社会保険完備、ベネフィットステーション会員 (宿泊施設や飲食店での優待割引)、有給休暇、退職金制度など

>>求人の紹介ページ

求人例その②
勤務地 神奈川県横浜市
勤務時間 7:30〜20:00のうち8時間 (シフト制 ※夜勤は必須ではない)
月給 20.9万円~
賞与 年2回
手当 通勤手当 (月50,000円まで)、資格手当、役職手当、残業手当、家族手当

>>求人の紹介ページ

保育士から院内保育に転職する魅力とは?

一般的な保育園から、院内保育に転職する際のメリットや魅力を3つ紹介します。

保育士から院内保育に転職する魅力①:給与が高い

基本給は一般的な保育園とあまり変わりませんが、院内保育には「夜勤」があったり、病院の規模によって「賞与額や福利厚生」が大きく変わってきます。

特に業績の良い病院内の施設であれば、一般的な保育園と比べ、年収が大幅にアップする可能性もあります。

保育士から院内保育に転職する魅力②:ゆったりと保育ができる

一般的な保育園は子どもの人数も多く行事も多彩であるため、日々の保育もかなり忙しい方がほとんどなのではないでしょうか?

院内保育では職員の子どもを預かり、少ない人数で保育を行うため、ゆったりと一人ひとりとしっかりと関わることができます。

園庭がない施設や行事が少ない園もあり、業務の負担も一般的な保育園と比べると少なくなってきます。

体力に自信がないという方には働きやすい環境かもしれません。

保育士から院内保育に転職する魅力③:勤務時間が短い

基本的な労働時間は保育園も院内保育も決まっていますが、「残業時間」には差が出てきます。

保育園は毎日の保育が多忙なだけでなく、膨大な書類作成や、翌日の保育の準備など、勤務時間内に仕事を片付けられないことが多いですよね。

一方、院内保育では毎月多少の残業はあるものの、大きな行事が無く、書類も保育園と比べると簡素化されているため、「毎日、定時に帰れない…」ということはありません。

また、残業をした場合も「残業手当」がしっかりと支給されるケースがほとんどです。

保育士から院内保育への転職を成功させるためのポイントは?

一般的な保育園と比べると知名度が小さいため、転職したくても「何から始めればよいのかわからない…」という方も多いと思います。

ここでは、院内保育への転職を成功させるポイントを3つご紹介します。

転職を成功させるポイント①:「院内保育」と「病児保育」を間違えない

求人誌を見ていると、院内保育と似ている「病児保育」という言葉が出てきます。

院内保育と病児保育は仕事内容も全く異なるため注意して下さい。

・院内保育:看護師や医師の子どもを預かるために病院内に設置された保育施設
・病児保育:風邪や発熱など病気にかかった子どもを預かるための施設

どちらも病院内や病院に隣接した場所にある施設ですが、施設の意図や業務内容も異なるので覚えておきましょう。

https://hoiku-information.com/types-of-childminder/byoji-hoikushi

転職を成功させるポイント②:施設のことをよく調べる (規模や人員配置)

転職活動においてリサーチはとても重要なポイントです。

院内保育の魅力として「夜勤手当支給」や「残業少なめ (月10時間程度)」といった特徴を掲げている施設が多いです。

もちろん、その通りの待遇となる施設も存在しますが、中には思っていた以上に忙しい環境となることもあります。

特に小さな病院だったり、医師や看護師の人手が足りていない施設には注意が必要です。

院内保育は24時間体制ですが、保育士人数が足りず、一人ひとりの負担が大きくなっているケースもあり得ます。

目星のついた医療施設があれば、まずは施設の特徴について十分にリサーチすることが大切です。

転職を成功させるポイント③:保育士専門の求人サイトで情報収集

一般的な求人誌や、ハローワークにも院内保育の求人は掲載されていますが、好条件の求人となるほど「非公開」となっていることが多いです。

※非公開求人:一般に公開されず、求人サイトの担当者を通してのみ紹介される求人

より良い求人を見つけるためにも、保育士専門の求人サイトはチェックしておきましょう。

求人を探すだけでなく、担当者から自分の希望とマッチする職場を紹介してもらったり、各施設の詳しい情報を教えてもらうことも可能です。

1人で動くよりも、このようなサービスを使って広く情報を集めていくことは転職を成功させる近道となります。

編集部

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良い職場が見つかりますように!