雨の日や真夏日など、外遊びができない日の遊びの提供には、頭を悩ませるものです。
また、1歳児は月齢や個人差によって、成長にとても差がある時期なので、遊び方にばらつきがあることも、先生が頭をひねる理由ですね。
しかし、逆手に取れば、室内だからこそ、その子どもの成長につながりそうな遊びを、うまく特化して提供できることがあります。
安全で楽しく、質の高い保育につながる遊びについて、ご紹介します。
保育園の1歳児のクラスの現場から
だまってお友達のそばで同じ遊びをしている平行遊びの時期を過ぎると、
自我が芽生えると同時に視野が広がり、お友達とのやりとりや、物の取り合いが生まれていきます。
そこから子どもたちが学ぶことはとても大きいものですね。
しかし、トラブルが起きた時、すぐに子どもの気分を切り替えられないと思われる日は、
できるだけおもちゃの取り合いがなく、おのおのが意欲的に楽しめる遊びを提供することが大切です。
しっかりコーナー分けをしよう!
1歳児のこどもたちに、長時間の秩序を守らせようとするのは無理なことです。
子どもたちがルールを守っているつもりはなくても、保育者があらかじめ整えた流れの中で、こどもたちは自ら遊びを選んでいる、という状態であるのが理想的です。
コーナーごとに担当の保育者がつき、ほかのコーナーと連携をとりながら、トラブルが起きないように遊びをうながしていきます。
トラブルは起きてしまってから対処するよりも、起きないように配慮することも、室内遊びではとても大切です。
それでは、こどもたちのいつもの室内遊びを充実させるアイデアとちょっとしたコツについて、ご紹介していきます。
保育園の1歳児におすすめの室内遊び
おすすめの室内遊び:①シール貼り
連絡帳の登園シールは、若干の予備があるものなので、年々溜まっていきますね。
余ったシールを台紙に好きなように貼らせてあげると、夢中になって作業を楽しむ子どもたちがいます。
子ども一人ではまだうまくできないときは、保育者が、台紙からシールを半分浮かせてつまみやすくしてあげたり、
保育者の指から子どもがシールを取って貼り付けるなど、援助を工夫します。
そのとき、「ペロン♪」と擬音をつけたり、「どこに貼ろうかな~?」と子どもの声を代弁してあげると、とても喜びます。
造形制作物の練習にもなりますね。
室内遊びの時間に、こういった巧緻性を鍛える遊びをとりいれると、衣服のボタンへの興味などにつながり、生活面にも役立っていきます。
他の分野の発達の様子に比べると、指先の細かな動きが得意ではないなと思われる子どもには、
楽しく取り組むきっかけを与えてあげると、順序立てた動作の感覚が育っていきますよ。
おすすめの室内遊び②:粘土遊び
私が経験した中では、粘土遊びは、一度席に座るとじっくり腰を据えて取り組むことが多い遊びです。
粘土を口に入れてはいけないことがきちんと分かるまでは、アレルギーを確認したうえで、小麦粉粘土がおすすめですね。
粘土遊びで重要なのは、保育者がたくさんのお手本を作ってあげることだと思います。
ぬいぐるみ遊びや、ままごと遊びで、なかなかストーリーが湧いてこないという先生も、粘土あそびならばアイディアが浮かぶ、なんていうことがありませんか?
上手でなくても良いので、「おだんご作ってみようかな♪」「かたつむりを作ってみようかな!」というように手を動かしながら制作すると、
先生の言葉と、粘土の変化と、先生の手の動きが、子どもにとって複合的な情報として飛び込んでくるので、とても喜びますよ。
また、1歳児の場合は、取り合いになりやすい「めん棒」や「型抜き」などの道具は使わなくても、十分粘土遊びを楽しめます。
粘土をよく揉み、柔らかくしておいてから分けてあげましょう。
まだつまんだりちぎったりすることが難しい子どもでも、物を握ったり圧迫する手の力を育て、豊かな感覚を養います。
おすすめの遊び③:毛布でんしゃ
室内で運動遊びをさせると、テンションが上がりすぎて危ないような気がするけれど、少し大きな動きを取り入れたいという場面がありますね。
そんな時、毛布を使っての電車ごっこは盛り上がりますよ。
園の丈夫な毛布の上に、姿勢保持がしっかりできている子どもを座らせ、毛布の端を保育者が持ち、ゆっくり引っぱりながら電車ごっこをします。
順番争いになってトラブルが起きそうだと思われるかもしれないですが、見ている側も楽しいあそびですと、意外と子どもたちは大人しく順番を待っているものです。
運動あそびを怖がる子や、ブランコなどの遊具に興味を示さない子にも、ソフトな刺激を与えてくれます。
子どもの表情が固い場合は、毛布の端と端を先生2人で持ち、ハンモック状にしたところに子どもを包むようにして入れてあげると、刺激が和らぎます。
外遊びで体験する強い刺激を、室内遊びでおためし体験するというのも、1歳児におすすめの方法です。
おすすめの遊び④:なんでもコマ回し
だんだんクラスのテンションが上がってくると、どのコーナーもざわざわしてきます。
そんなときに私がよくやるのが「なんでもコマのように回す遊び」です。
丸みのある赤ちゃんおもちゃや、ソフトビニールのおままごとの食べ物なども、
ある一点を支点にして床に押し当て、両手で回転を加えると、意外なほどよく回ります。
月齢が高く知的好奇心のある子も、まだまだ発達が幼い子も、物が回るコミカルな動きに喜び、さほどトラブルのもとになりません。
室内の雰囲気をリセットしたいとき、おためしください。
まとめ
1歳児と保育者がストレスを感じずに、室内の時間を楽しく過ごす遊びについてご紹介しました。
クラスの中での成長の差が激しい1歳児クラスでは、皆で同じ遊びに取り組むことは難しいです。
しかし、子どもたちそれぞれに合った刺激を提供できるところが、1歳児ならではの室内遊びですね。
このようなコーナー遊びを設けると、うまく出来た時の「誉めるタイミング」がたくさんあるので、保育者とのコミュニケーションにも役立ちます。
自由なおままごと遊びなども並行して設定しておくと、子どもたちも自由度が上がり、充実した室内の時間が過ごせますね。
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