保育園は共働きで日中子どもの世話ができない家庭の子どもを預かる施設です。
しかし、日中の保育だけではなく夜の時間帯に子供を預かる「夜間保育」と呼ばれる施設が存在します。
この記事では夜間保育の仕事内容や待遇に加え、保育士から転職を考えるときの求人探しのポイントについてご紹介します。
目次
夜間保育ってどんな仕事?主な仕事内容とは
最近は働き方の多様化も進み、夜間の時間帯に働くという方も増えています。
夜間保育はそのような夜間帯に保育を必要とする家庭には欠かせない施設なのです。
夜間保育ではどのような仕事を行うのか、主な仕事内容を紹介します。
夜間保育の主な仕事内容①:生活のサポート
一般的な保育園と異なり保育時間が夜とるため、「体を動かす活動」は行いません。
明日に疲れを残さない程度の室内活動を行い、就寝時間にはしっかりと寝かせるというのが主な仕事です。
夜間保育では「家庭にいる子どもと変わらない生活を送らせること」が大事です。
保育士はそのサポートを行うことが主な仕事となります。
夜間保育の主な仕事内容②:就寝中の呼吸チェック
夜間保育を行う上で、特に大切な仕事が「就寝時の呼吸チェック」です。
乳幼児の就寝中には「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と呼ばれる、未だに原因がはっきり解明されていない突然死の危険性があります。
これを防ぐためにはこまめなに呼吸チェックを行うことが有効である言われ、
認可保育園では「0歳児=5分間、1歳児=10分間、2歳児=15分間」の間隔で呼吸チェックを行うことが義務付けられています。
もし子どもが就寝中に突然死した場合、この呼吸チェックを行っていないと責任問題が発生します。
「夜間保育は子どもが寝ているだけだからラク」と思われることもありますが、「就寝中の子供の命を守る」といった大きな責任を伴う仕事でもあるのです。
夜間保育の主な仕事内容③:精神的安定を図る
夜間に保育施設に預けられる子どもの心理は複雑であり、その保育施設に慣れるまでに時間を要する子どももいます。
一般的な保育園でも親と離れることに不安を感じる子どもはいますが、それが夜間となると不安はいっそう高まります。
このような不安を取り除くため、子ども一人ひとりの状態をしっかりと把握し、ケアをしていく必要があります。
夜間保育士さんの1日のスケジュール
17:00~:昼間の園児のお迎え対応と夜間の子どもたちの受け入れ
18:00~:夕食
18:30~:オムツ交換やトイレトレーニング、歯磨きの補助
19:00〜20:00:子どもたちの自由遊びと就寝準備
20:00~:寝かしつけ
21:00~:保育士の夕食時間
21:30〜:連絡ノート記載、洗濯とトイレ掃除
22:00〜02:00:就寝中の子どもの見回りやお迎え対応
※2:00までの勤務の場合はここで退勤。9:00までの場合は22:00~2:00まで仮眠、2:00〜6:00までお迎え対応。
06:00〜:起床した子どもたちのオムツ交換や着替え、朝食準備
07:00~:朝食
07:30〜09:00:夜間の子どもたちのお迎え対応と昼間の子どもたちの受け入れ。
夜間保育の給料や待遇はどのくらい?実際の求人例も紹介!
夜間保育の給料には夜勤手当が含まれるため、一般的な保育園と比べると給与水準は高い傾向にあります。
実際の求人例も併せて、夜間保育の待遇面について見ていきましょう。
夜間保育の給料や賞与について
平均年収 | 330万円 |
平均月収 | 23~30万円 |
平均賞与 | 55万円 |
厚労省:賃金構造基本統計調査
夜間保育では、無認可保育園として夜間保育のみ行っている施設もあれば、認可保育園として日中保育に加え夜間保育を取り入れている施設もあります。
院内保育や企業内保育の中で夜間保育を取り入れていることもあり、給与体系は施設によって異なってきます。
夜間保育の求人例
求人例その①
勤務地 | 東京都北区 |
勤務時間 | 11:15〜20:15 13:00〜22:00 14:15〜23:15 (夜間) |
月給 | 大卒・院卒:237,000円~ 3年生短大卒:227,500円~ 短大・専門卒:217,500円~ |
賞与 | 年2回 (3.7ヶ月分) |
手当 | 地域調整手当、職務手当、処遇改善一時金、被服手当 |
求人例その②
勤務地 | 沖縄県沖縄市 |
勤務時間 | 18:30〜7:30 |
月給 | 16.7万円~ |
賞与 | 年2回 |
手当 | 通勤手当、精勤手当 |
保育士から夜間保育に転職する魅力とは?
夜に働くことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、夜間保育には夜間ならではの魅力もあります。
ここでは夜間保育の3つの魅力についてご紹介します。
保育士から夜間保育に転職する魅力①:子どもとその家族を支える仕事
夜間に仕事を行う方々には様々な事情がありますが、そのような家庭を支えているのは夜間保育ならではのやりがいと言えます。
小さな子供がいる場合、夜は親がそばにいることが理想的ですが、それが叶わない子どもや家庭にとっては夜間保育は無くてはならない存在です。
子どものケアはもちろんのこと、夜間保育は「家族を支えている」といった実感を強く感じることができる仕事なのです。
保育士から夜間保育に転職する魅力②:給与が高い求人が多い
保育士の給与水準は他職種に比べるとかなり低い水準です。
しかし、夜間保育では「夜勤手当」が加算されるため、一般的な保育園と比べると高い給与が期待できます。
また、日中の保育と比べると、外遊びやレクなどの保育がない分、業務の負担も少なくなってきます。
保育士から夜間保育に転職する魅力③:子育て経験を活かせる
夜間保育では戸外活動や設定保育よりも、夜間帯の子どもの心身ケアがメインになってきます。
作り物が得意、運動が得意、ピアノが得意という方よりは、子育て経験が豊富で、子どものことをよく理解している人の方が重宝されます。
そのため、出産や育児により保育士を離れていた方にとっても、働きやすい環境と言えるでしょう。
保育士から夜間保育に転職を成功させるためのポイント
給与水準の高い夜間保育は人気のある職種の1つです。
求人誌を見ても、あまり見かけることはないかもしれません。
ここでは夜間保育の求人を見つけ方や転職活動のポイントをご紹介します。
転職を成功させるポイント①:転職エージェントを活用する
夜間保育と言っても「認可園」「無認可園」「企業内保育」「院内保育」など、様々な形態があります。
同じ夜間保育と言っても、施設形態が異なれば働き方も異なります。
各施設の特徴や担当する仕事内容など、詳しく情報を集めるためにも「保育士専用の転職エージェント」を活用することをおススメします。
夜間保育の求人情報が豊富なだけではなく、実際の働き方や施設内の様子についても詳しく教えてもらうことができるので便利です。
夜間保育が初めての方なら、まずは働き方や勤務先の候補について、話を聞いてみるところからスタートするのが良いと思います。
転職を成功させるポイント②:勤務時間を確認する
夜間の時間帯だけ開所している施設もあれば、日中の保育に加えて夜間保育も取り入れている保育園、あるいは院内保育のように24時間開所している施設もあります。
希望する転職先が夜間の時間帯だけなのか、日中勤務まで含まれるのか確認しておくことが大切です。
場所によってはメインは日中の勤務で、月に2〜3回夜勤有りといったこともあります。
夜間保育のつもりで就職したものの、日勤が中心となっては困りますね。
候補先ではどのような勤務形態となっているのか、事前によく確認しておきましょう。
転職を成功させるポイント③:体調管理に気をつける
夜に仕事をする場合、通常の生活リズムとは180度異なります。
給与が上がっても、体調を崩してしまっては本末転倒ですね。
少しずつ体を慣らしながら、しっかりと体調管理を行っていきましょう。